治療は?
年齢によって治療方法を考えていきます
- 乳児期
- 幼稚園・学童期
- 思春期
- 成人
「スキンケア」と「食養生」は全年齢共通です
スキンケア
- 皮膚の清潔
毎日の入浴、シャワー。温度は低めに。
強くこすらない。石鹸、シャンプーは十分にすすぐ。 - 皮膚の保湿(ステロイドの入っていないもの)
べとべとタイプ(プロペト軟膏)からさらさらタイプまで各種ありますので自分にあったものを使う - かゆみが強くかきむしって症状が悪化する時はステロイドを十分な広さと量使う(使いたくない場合は保湿剤のみで様子を観ますのでお申し出ください)
- 肌着は肌触りの良い綿を選び、冬に体を温める肌着を着ない。爪を短く切る。
食養生
- 和食中心に食べましょう。
- 生野菜ではなく、ゆでた野菜、煮た野菜を食べましょう。
- 食材は、季節の旬の野菜を選び、その土地で作られたものを食べましょう。
(例:きゅうりやトマトは夏の野菜ですので、冬に食べすぎると体を冷やします。冬は大根などの根野菜を煮て体を温めましょう) - だしをかつを節、昆布、しいたけ、いりこなどでしっかりとって、薄味で仕上げましょう。
- 海草(昆布、わかめ、ひじきなど)や、干し大根、大豆製品(豆腐・納豆・おから・高野豆腐)を上手に取り入れましょう。
- 白砂糖よりは、オリゴ糖・テンサイ糖・黒砂糖などがおすすめです。
- アイスクリームや、冷たい飲み物、果物は体を冷やしますので、暑い時期に適量食べましょう。冬は温かいものを摂りましょう。
- 甘い物の摂りすぎにも注意しましょう。
- 合成保存料・着色料などの添加物が入っている加工食品やインスタント食品はなるべく避けましょう。
- 油の多いものや、ファーストフード・スナック菓子はなるべく避けましょう。
- 食用油はオリーブオイル、えごま油などを少量使いましょう。
- 水は浄水器をつけるか、ミネラルウォーターを飲みましょう。
乳児期のアトピー性皮膚炎
- 乳児湿疹か?アトピー性皮膚炎か?を経過観察
- まずは乳児湿疹の治療
外用剤:ワセリン、他の保湿剤、ステロイド
内服:抗アレルギー剤、漢方薬 - 治りが悪く、繰り返す乳児湿疹
乳児期で2ヶ月以上湿疹がつづく場合はアトピー性皮膚炎と診断 → 場合によっては血液検査(卵、牛乳、小麦)を実施 - 乳児は消化管が未熟なため、食物の影響で皮疹が悪化することがある。
- 血液検査の結果により、離乳食の進め方を考える
- ただし陽性であっても相談しながら少量ずつその食品を摂取していく。
- 陽性であってもなるべく1歳~1歳半までには食べられるように進める。
- 上記に並行して、外用剤、抗アレルギー剤、漢方薬を使用。
皮膚のひっかき傷から食物やダニ抗原が侵入しないようにスキンケアを行う。 - 乳児のスキンケアでは、特に口のまわりによだれがついたり、食べ物がついた時に、そのつど濡れガーゼ(ぬれティッシュは使用しない)で洗い流すように拭いて、ワセリンをつける。
手足や、体のかさかさにもワセリン等の保湿剤を数回塗ってよい - なかなか食べられるようにならない時は食前にインタールを内服する
幼稚園・学童期のアトピー性皮膚炎
幼稚園・学童期は、活動が激しいためスキンケアが重要
- ボディソープ、ナイロンタオル、スポ ンジ、炭酸系入浴剤は使用しない
- 石鹸をよく泡立てて、わきの下、股、足のうらなどを中心に洗う
- プールの後や、汗をたくさんかいた後には帰宅後すぐに入浴し、プールの水や汗を流す
- 保湿剤やステロイド剤を適宜使用する
スキンケアを十分に行っても改善しない場合は抗アレルギー剤と漢方薬の内服を追加する
思春期のアトピー性皮膚炎
- スキンケア、食養生は基本
- シャンプーなどの日用品や、化粧品を各種使用するようになる
- 年齢なので、その選び方に注意する。香料の強いものメントールの入っているものを避ける
- 特にシャンプー、リンスが顔や首周りに残らないように十分すすぐ
- 治りの悪いときは抗アレルギー剤と漢方薬を併用する
- 入試の時はステロイド外用や各内服を使用して乗り切る
成人期のアトピー性皮膚炎
- スキンケア、食養生は基本
- ストレス発散の方法をみつけておく
- なかなか改善しない方は漢方薬を使用、自分に合った漢方薬をみつけていく
- 抗アレルギー剤の内服、外用剤を適宜使用